高卒でも大企業で勝ち組になれる?3つのキャリア成功タイプとは
突然ですが、皆さんが考える勝ち組の定義とはなんですか?
- 誰もが知っている有名な大企業に勤めている人?
- ハードな仕事をして、数千万円の年収を得れている人?
- 勤め先は無名な会社だが、自分が納得いくような働き方ができ、仕事生活が充実している人?
人によって様々だと思います。
本記事では、高卒からキャリアを築いていく上での“勝ち組”を3つのタイプに整理し、実際の事例と必要な考え方を紹介します。あなたに合ったスタイルを見つけ、これからのキャリアを前向きに描くヒントにしてください。
高卒のキャリアにおける“勝ち組”とは
それでは、早速あなたの定義するキャリアの”勝ち組”について考えていきましょう。
本メディアでは、勝ち組に定義を3つのタイプで整理します。
1.安定安心型
大企業で長く働き、生活基盤を固める勝ち組です!
2.成長挑戦型
スキルを磨き、常に転職で市場価値を高めていける勝ち組です!
3.自分らしさ型
自由ややりがいを優先し、自分の納得感を大切にする勝ち組です!
これらの型は、海外の研究者「エドガー・H・シャイン氏」が提唱するキャリア・アンカー理論を参考にしています。
次からは、それぞれのタイプを解説していきますので、ご自身に近い定義を考えてみましょう。
それぞれのタイプの特徴
1.安定安心型

「とにかく安心して働ける環境が一番大切」と考える人にとっては、安定安心型が勝ち組の定義になるかもしれません。
例えば、大企業に勤めることで、給料のベースがしっかりしていたり、社会保険や福利厚生が整っていたり、家族を安心させられる暮らしに近づきます。
他にも、国内のインフラに携わる仕事など、仕事自体がなくなりにくい業界に勤めれば、継続的な収入、つまり安定性が見込めるかもしれません。
2.成長挑戦型

「収入を増やしたい」「もっと自分を成長させたい」と思う人にとっては、成長挑戦型が勝ち組の姿かもしれません。
たとえば、IT業界・人材業界・保険業界など営業職などは、実力を積み重ね成果を出せば。学歴に関係なく多くの収入を得れる場合もあります。
成果を出す過程で、自己成長を感じられたり、出した実績がそのまま転職活動でも評価され、次のキャリアアップに繋げることも可能です。
3.自分らしさ型

「人と比べるよりも、自分が納得できる働き方をしたい」という人は、自分らしさ型の勝ち組に当てはまるかもしれません。
給料が低くても好きな分野で働けている人や、自由な時間を大切にしている人が当てはまります。
在宅ワーク可能で働く場所を選ばなかったり、フリーランスや個人事業主などで働く時間に縛られなかったりするのが理想に該当するかもしれません。
あなたはどのタイプに一番しっくりきましたか?人によって価値観が違います。まずは自分の軸に合う”勝ち組”の定義を決めましょう。
高卒が”勝ち組”としてキャリアを築いた事例
ここではそれぞれのタイプでキャリアを築いた事例を紹介します。より具体的なイメージを持ち、自分のタイプについて考えを深めていきましょう。
安定安心型(大企業で長く働き、生活基盤を固める勝ち組)
NAOKIさん(25歳)の事例

高卒で最初に入社したのは、地方の中小製造業だったNAOKIさん。体力仕事が中心で給与も低く、ボーナスもほとんど出ない環境でした。20代半ばになり、「このままでは結婚や家族を持つのは難しい」と将来に不安を感じ、大企業への転職を決意します。しかし、転職活動では「大卒以上」と記載された求人が多く、高卒で応募できる選択肢は限られていました。何十社も応募して書類で落ちることが続き、「やはり自分にはチャンスがないのでは」と心が折れそうになったといいます。
そんな中、NAOKIさんは「現場で培った技能資格や安全管理の経験を強みにできる」ことに気づき、履歴書や職務経歴書を徹底的にブラッシュアップ。面接では「これまでの地味な作業の積み重ねが、大企業で求められる安全性や正確性に直結する」と具体的に伝えました。その結果、30代手前で大手インフラ企業に採用されました。
しかし入社直後は苦悩が続きました。新しい職場ではベテラン社員が多く、「中途採用の若手だから信用できない」と冷ややかな目で見られることもありました。さらに、大企業特有のルールや手続きが煩雑で、最初は戸惑うことばかり。焦って空回りすることもありました。それでもNAOKIさんは「信頼を築くには時間がかかる」と腹をくくり、雑務や夜勤シフトも引き受け、地道に積み重ねを続けました。
その姿勢が評価され、3年後には班長に昇格。さらに安全管理プロジェクトの中心メンバーとして選ばれ、ゼロ災害の記録を達成しました。その結果、上司や同僚からも「彼に任せれば安心だ」と言われる存在になり、30代半ばには管理職候補に抜擢されました。給与や福利厚生も充実し、結婚して家族を持つという目標も叶えることができたのです。
事例から分かる「安定安心型」に必要なマインドセット
この事例から分かるのは、安定安心型で勝ち組になるには「一度目の選択が理想でなくても、途中で軌道修正していい」という考え方が必要だということです。
最初の職場が思うような環境でなくても、経験をどう整理し、どうアピールするかで転職の可能性は開けます。
そのために大切なのは「過去の経験を強みに変える視点」と「何度落ちても諦めず挑戦する粘り強さ」です。
また、転職先に入ってからも「すぐに認められなくても時間をかけて信頼を積む」という心構えが不可欠です。
大卒やベテランとの差を感じて劣等感に陥りやすいですが、「地味な努力の積み重ねが最終的に安定につながる」という意識を持てば、焦らず続けることができます。
つまり、安定安心型の勝ち組を目指すには、「転職過程の壁を突破する工夫力」と「転職後の不遇を耐え抜く継続力」の両方が欠かせません。
成長挑戦型(スキルを磨き、常に転職で市場価値を高めていける勝ち組)
DAISUKEさん(27歳)の事例

高卒で最初に入社したのは、地元の製造業のライン作業だったDAISUKEさん。仕事は安定していましたが、給料は昇給幅が小さく、20代後半になっても手取りは20万円台前半。友人が転職や資格取得でキャリアアップしていくのを見て、「このままでは将来が不安だ」と強く感じました。そこでDAISUKEさんは「もっと自分の市場価値を高めたい」と決意し、転職活動を始めました。
最初の壁は「高卒だから専門性がない」という評価でした。応募したIT企業や人材業界からは、スキル不足を理由に書類落ちが続きました。そこでCさんは、仕事を続けながらオンライン講座でITスキルを学び、営業スキルを磨くために社内異動で営業補助を志願。資格取得や数字を扱う経験を積み重ねた結果、1年後に中堅のITベンチャー企業へ転職することができました。
ところが新しい職場でも苦悩が待っていました。成果主義の世界では、数字で結果を出せなければ評価されません。最初の半年は契約を取れず、上司から「向いていないのでは」と言われたこともあります。しかしDAISUKEさんは「行動量で誰にも負けない」と覚悟を決め、1日50件以上の架電や訪問を徹底。その中でトークスクリプトを改善し、先輩からアドバイスを受けて実践を繰り返すうちに、徐々に成果が出るようになりました。
1年後には月間トップの成績で達成。さらにその実績を武器に大手IT企業への転職を成功させ、年収は製造業時代の約2倍に。本人は「学歴がなくても、成果を出せば評価され、次のキャリアにつながる」と自信を持てるようになりました。
事例から分かる「成長挑戦型」に必要なマインドセット
この事例から学べるのは、「学歴や最初の環境ではなく、成果で市場価値を高める」というマインドセットの大切さです。
高卒で成長挑戦型を目指す人にとって、最初にぶつかる壁は「スキル不足」と「学歴フィルター」です。
ここで諦めるのではなく、「小さくても学びを積み重ねる」「実績を数字で示す」ことが武器になります。
また、転職後に待ち受けるのは成果主義というプレッシャーです。数字が出ない時期は「やはり高卒だからダメなのでは」と自己否定しやすいですが、必要なのは「失敗も経験の一部」と捉える回復力です。
成長挑戦型に不可欠なマインドは、①学び続ける意欲、②失敗から立ち直る回復力、③成果を積み上げる執念です。
DAISUKEさんのように「最初の半年成果が出なくても行動量で突破する」という姿勢は、学歴に左右されずキャリアを切り開く力になります。
自分らしさ型(自由ややりがいを優先し、自分の納得感を大切にする勝ち組)
AYAKAさん(23歳)の事例

高卒で最初に就職したのは、地元スーパーの店舗スタッフだったTAKUYAさん。接客や品出し、レジ対応など幅広い業務を経験しましたが、シフト勤務で土日休みがほとんど取れず、長時間労働も当たり前。お客様と関われるやりがいは感じていたものの、「生活のリズムを整えたい」「もっと自由度のある職場で働きたい」という思いが次第に強くなっていきました。
20代後半、結婚を意識するタイミングで「このままスーパーで働き続けても家庭との両立は難しい」と感じ、転職を決意。しかし、転職活動は想像以上に厳しいものでした。求人サイトを見ても「大卒以上」と書かれた事務職や企画職は応募できず、学歴不問の募集は営業や接客など体力勝負の仕事ばかり。「働きやすさを求めているのに、また同じ業界に戻るしかないのか」と落ち込み、何度も心が折れそうになりました。
TAKUYAさんは発想を転換し、これまでの接客経験を活かせる「カスタマーサポート職」に狙いを絞りました。未経験でも応募可能な中小のWeb系企業に挑戦しようと決め、オンライン学習で基本的なパソコンスキルやWeb知識を独学で習得。履歴書や職務経歴書では「接客で培ったコミュニケーション力とトラブル対応力は、サポート職でも必ず役立つ」と具体的にアピールしました。
それでも最初は20社以上落ち、面接で「高卒でWeb経験もないのに本当に大丈夫ですか?」と突っ込まれることもありました。苦戦を重ねる中、面接で実際に店舗でのエピソードを話し、「クレーム対応を通じて冷静に判断する力が身についた」と伝えられるようになったことで評価が変わり、社員数30名ほどのシステム開発会社から内定を得ることができました。
転職後はリモート勤務制度やフレックスタイムが導入されており、生活リズムは大きく改善。最初は「PCスキルが追いつかない」と苦労しましたが、先輩の指導を素直に吸収し、前職で身につけた「人当たりの良さ」でチームにも溶け込めました。半年後には顧客満足度調査でトップ評価を獲得し、「スーパー時代の経験が今に生きている」と実感。年収は大きく増えたわけではありませんが、自由度と生活の安定感を両立できる働き方を手に入れました。
事例から分かる「自分らしさ型」に必要なマインドセット
この事例から分かるのは、自分らしさ型を実現するには「過去の経験を新しい職場でどう活かすかを言語化する力」が不可欠だということです。
高卒の場合、「大卒以上」の壁に阻まれやすく、未経験からIT系の仕事に挑戦するのは簡単ではありません。しかし、前職の経験を「別の文脈で役立つスキル」として語れる人は評価されやすいのです。
また、自由度のある職場では「自己管理力」が重要になります。リモート勤務やフレックスは働きやすさを高める一方で、主体的にタスクを進められなければ成果を出せません。そのために必要なマインドセットは、自由と責任を引き受ける覚悟、です。
そういった覚悟の元、粘り強く挑戦を続ければ、高卒でも十分に働きやすさと納得感を両立できる道は拓けます。
まとめ
本記事では、高卒のキャリアにおける“勝ち組”を「安定安心型」「成長挑戦型」「自分らしさ型」の3つのタイプに整理して紹介しました。
ぜひこの記事をきっかけに、「あなたにとっての勝ち組とは何か?」を考え、未来のキャリアを前向きに描いてみてください。
各タイプごとにどのような業界・職種がオススメなのか?についても、別記事でまとめる予定です。是非、お楽しみに!
皆さんのキャリアアップを心より応援しています。
